スコット・ペリー氏が推奨するリスニング練習法とは?

英語教育の世界で仕事をしている人なら、スコット・ペリー氏を知っているかもしれませんね。発音矯正のスペシャリストであり、特に日本語の発音と英語の発音の違いを詳しく研究されており、日本人の「発音ネイティブ化」に20年以上も尽力されている方です。前述の通り、スコット氏は「発音矯正」のプロです。

しかし、独自の「リスニング上達につながる理論」を見つけ出し、それを「ネイティブスピード」という教材の中で披露しています。私は、個人的にこの教材がリスニング教材の中で最も優れていると感じています。

その根拠は、「パートリスニング」と呼ばれる独特の手法を推奨しているところにあるんですよ。ところで、一般的なネイティブが英語の会話をしている時、1分間にどれくらいの単語が出てくると思いますか?なんと、「約500語」もの英単語が出現するのです。特に話が盛り上がっている時などは、それくらいのスピードになっているでしょうね。

いかがですか?1分間に約500語です。聞き取れるでしょうか?おそらく「無理だ…」という方が多いでしょうね。日本人が英語を話す時は1分間に約200語であるのに対し、その2倍以上もの単語を聞き取ることになるんですよ。

しかし、この悩みは日本語を勉強している外国人にも共通しています。特に、早口で話す日本人の日本語は、外国人では聞き取ることが出来ないんですね。でも、私たちは日本語をちゃんと聞きとることが出来ます。

たとえ早口で話す人であっても、ちゃんと内容を聞き取ってコミュニケーションを交わすことが出来るんですよ。なぜでしょうか?「だって日本人ですから。日本語のリスニングが完璧ですからね」と思われる方も多いでしょう。

しかし、リスニング能力の高さだけで、完璧なリスニングが出来るというわけではありません。もう1つの重要な要素として、「パートリスニング」が必要なのです。「部分的なリスニング」という意味になりますが、次のような状況を想像して下さい。

朝、いつものように会社に向かって歩いていると、道の向こう側に部下がいました、こちらに気付いた部下は、手を振りながら何かを言っています。「お…よう……ざい…す」、道には多くの車が走っていたため、このようにしか聞き取ることが出来ません。

しかし、「朝である」ということ、さらに部分的に聞こえた音声を脳が理解し、「おはようございます」と聞き取ることになります。このように、様々な条件や部分的に聞き取った音声を、人間の脳はちゃんと穴埋めをして理解してくれるのです。

これがパートリスニングの仕組みなのですが、スコット氏の「ネイティブスピード」は、そのパートリスニングを鍛えることを目的としています。珍しいですね。リスニング教材の多くが「リスニング能力をアップさせる」を目的とする中、「パートリスニングが目的」という教材は少ないものです。

前述で、私は「ネイティブスピードは最高のリスニング教材だ」と述べましたが、その根拠こそ「パートリスニングを目的とした数少ない(唯一の)教材である」なのです。